はじめに
お客様インタビューの記念すべき第1回目は、非営利特定法人エファジャパン様です!
エファジャパン様はアジアの国々を中心に、子どもたちの情報格差、教育格差問題に取り組まれており、ロゴデザインをはじめ、会報誌「えんぱわ」や、年次報告書などに携わらせていただき、現在も引き続きご依頼をいただいているお客様です。
今回はプロジェクトを振り返りながら、エファジャパンの活動についてお伺いいたしました!
エファジャパンの取り組み
新海:はじめに、エファジャパンさんのご紹介をお願いいたします。
関さん:今年で発足して20年という節目を迎える国際協力NGOです。
立ち上げた経緯は遡ると95年頃、全日本自治体労働組合が国際連帯活動に取り組もうと、インドシナのカンボジア、ラオス、ベトナムの子どもたちの教育、福祉サービスの促進を始めました。しかし労働組合としてできることには限界があり、しっかりとした取り組みを行っていこうと、2004年に発足させたのが『特定非営利法人エファジャパン』となります。
新海:具体的にどのような活動をされているのでしょうか?
鎌倉さん:アジアの子どもたちが可能性と創造性を存分に発揮できるよう、教育支援を主におこなっています。インドシナの国々は内戦を経て、0スタートの国がほとんど。それでも経済的発展は進んでいますが、現在、経済格差・貧困格差が問題として起こっています。エファはその中でも子どもたちの教育・福祉問題に着目しました。教育が行き届いていない子どもたちに自分たちの道を拓いていく手助けをし、その中でも障がいのある子へ焦点を当てて支援をしています。
障がいがある子は学校に通うことも困難。車椅子もなければ、発達、知的障害への理解がない環境の中では授業についていけません。また、差別が生まれ、さらに学校へ行けなくなってしまい、そうしたことから社会や地域の中で、その存在をかき消されてしまう問題もあります。
直近の活動としては、エンジニアや現地の団体などを巻き込み、教育ツールを準備しています。自分なりの学び方で自分の道を切り開いていくことができるよう、アクセシブル教材(電子ブック)を開発中です。紙の教科書を一人に一冊提供することはお金もかかり、行き届くまでに何年もかかります。デジタルはその点ローコスト、オンタイムで教材提供が行えます。
三井:教科書を読み上げてくれたり、声の早さを変えられたりとかなり利便性が高いですね!(実際にテスト版を見て)
関さん:そうなんです。しかし、課題もあって…
マイクロソフト社のWordをベースにしてアクセシブル図書の開発をスタートさせています。子どもたちが使いやすいことはもちろん、教科書を作る現地の先生方が使いやすく、コスト、時間のかからないものでなくてはなりません。そういった部分や、細かいエラーを克服している最中です。最終的には障がい者も健常者も関係なく必要なツールになると考えています。
ご依頼への経緯
新海:その様な中、私たちにご依頼くださった経緯を教えてください
鎌倉さん:以前勤めていた広報担当から紹介を受けたのがMAG MAGさんとの出会いのきっかけです。従来の会報誌『えんぱわ』は、モノクロで作成していましたが、せっかく海外に赴いて取材をしているのなら、現地の様子をよりリアルに伝えたい!とビジュアルをメインに見せていきたいという意向になりました。
初めてデザインしてくださった『えんぱわ』を見た時は、一目でいいな!と感じました。それからはMAG MAGさんなら安心してお任せができるなという気持ちでお願いさせていただいています。私が取材し、原稿にしたものをデザインに落とし込んでいただいているのですが、初校で赤を入れる箇所はほとんどなく、スムーズに制作いただいていることに信頼しています。
そのほか、お願いしている年次報告書。こちらもモノクロからカラーに変更していただきました。複雑な内容であるものの、私たちのことを調べて、汲み取ってくださったことが伝わり、初回提案の段階でいいものを作っていただけました。
詳しいデザインについての説明は以下のプロジェクトをご覧ください!▼
プロジェクトへの想いとプロセス
新海:ありがとうございます!では、プロジェクトへの想いをお聞かせください。
関さん:コロナ禍が幸いだったのかもしれません。普段考えない領域について考える時間が増え、その際に団体の方針を見直した時、色々と刷新していきたいことに気づけました。私たちが取り組む「社会の課題解決」をきちんと伝えていくことをやり直すために、事業の中身はもちろんのこと、ホームページやロゴ、『えんぱわ』について考え直しました。僕らは何のために存在して、何をしているのか、そこまで遡ることも。
結果、新しいロゴが出てきた際にいい意味で「なんだこれは!」という感想でした。段々と愛着が湧いて可愛く見えてきています。そしてシンプルなんだけど深い意味もあって。個人的にクリエイティブな領域がすごく好きなので、MAGMAGさんのセンスに惹かれています。そして、えんぱわ、年次報告書もリニューアルしていただきました。年次報告は、いわゆるファクトシートで、あまり読まれないのが現状です。年次報告をさらに読み物にして、子どもたちの声や数字の部分をきちんと届けたいという想いで制作をお願いしています。
新海:ありがとうございます!では、デザインを担当した三井さん、どのようなコンセプトとプロセスでこのロゴが出来上がりましたか?
三井:別途インタビューします
下記は、実際にご提案させていただいた資料です。B案が採用されました。
詳しいデザインについての説明は以下のプロジェクトをご覧ください!▼
デザインの反響
新海:デザインをリニューアルした反響はいかがでしたか?
関さん:えんぱわについては鎌倉にも、MAGMAGさんにも非常にいい内容とデザインを作っていただいているんですけど、読み手の人たちにどう届いているのかは、正直僕らはまだ見えていない部分です。比較的こういうものって読まれないんですよね。そして会員にはありがたいことに長年の方もいらっしゃって。良くも悪くもわざわざやり取りすることがないんです。だから、見えないものを見えるようにしたいですね。もしも見えるようになったら、余計読んでほしいなと思いますけど、そこはあまり求めすぎてもいけないんだろうな…とも感じています。
鎌倉さん:もちろん会員の中には一文字一文字まで読んで下さっている愛読者さんもいます。また、『図書館総合展』に出展した際、ブースに「えんぱわ」を置くと、初めて私たちを知った方々が持っていってくださったので、読みたいという人には届くものだと思っています!
関さん:今後も全体的なブランドのイメージは同じ製作者の方に絞って、定着させていきたいという気持ちがあるので、そのほかの媒体もMAG MAGさんに徐々にお願いしたいと思っています。その際はよろしくお願いいたします!
三井:こちらこそよろしくお願いいたします!
今後へ向けて
新海:最後に、今後挑戦したいことはありますか?
関さん:今年は、20周年ということで、この節目を振り返ると同時に、今までご支援くださった方に謝意を伝える機会としていきたいですね。そして、エファジャパンはまだまだ認知度が低いので、私たちとしては新たな認知を得て、共感くださった方に支援者になっていただきたいと思っています。今現在も労働組合の方々に支援をいただいていますが、組合内でのエファへの認知が下がってきている現状もあります。一般の方々への発信もしながら、活動当初から近い存在である労働組合(地方公務員)の方々に向けた活動の認知度もさらに高められるよう働きかけをしたいと思います!
関様、鎌倉様ご協力いただきありがとうございました!